【「五味(ごみ)」を意識して「湿邪(しつじゃ)」に備えましょう】

とうとう梅雨入りしていまいましたね。

当たり前のように1週間の天気予報でも曇りや雨のマークを多く見るようになりました。

今の時期は、漢方の考え方で言うと「湿邪(しつじゃ)」が影響する時期です。

湿邪が体内に入ると、胃や腸などの消化器の不調、関節の痛み、むくみなどの体調不良を引き起こします。

これは、湿邪によって体の中で「水(すい)」がうまく巡らないことや、過剰に「水」が溜まってしまうことが原因と考えられています。

漢方では、体内の「気(き)・血(けつ)・水」のバランスが大切だと言われています。

そのうち、「水」は体を潤す性質だけでなく、冷やす性質も持っています。

そのため、胃腸に過剰の水が溜まってしまうと、胃腸を冷やしすぎてしまい、食欲が出ない、おなかがゴロゴロするなどの不調がでます。

また、痛みの原因は「熱(ねつ)」と言われていますから、痛みの部位までうまく水が巡らないとそれを冷ますことができず、梅雨の時期独特の痛みが出てしまうのです。

梅雨時期の体調管理のポイントは、実は「気」の巡りをよくすること!

気は水を巡らせるエネルギーにもなりますし、湿邪が体に侵入しないようにするバリア機能も備えているのです。

では、「気」を整えるには具体的にどうしたらいいのでしょうか。

まずは「食養生」です。

前回「五色」の話をしましたね。今回は「五味」のお話です。

「五味」とは、辛(しん)、苦(く)、甘(かん)、鹹(かん)酸(さん)の5つの味のことです。

五味の味付けは和食の基本でもあります。

漢方で考える「健康な体」は、「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」がすべてスムーズに流れている状態ですが、「五味」は、それぞれに独特の作用があると考えられています。

「辛」・・・辛み。停滞していた「気」と「血」の流れをよくする

「苦」・・・苦み。体内の余分な熱や水分を除去する

「甘」・・・甘さ。血を補ったり、筋肉の緊張を緩めて痛みを取り除いたりする

「鹹」・・・塩辛さ。固まったものをやわらげ、便秘などに効果的。

「酸」・・・酸っぱさ。筋肉や内臓を引き締める作用がある

「気」の流れを良くする「辛」の食材としてお勧めはショウガ、唐辛子などです。

さらに「苦」の食材としてお勧めのミョウガ、セロリ、キュウリなどを加え、余分な水分も取り除くとばっちり!です。

お勧めの料理は「キュウリと豚肉の生姜炒め(キュウリ:甘苦、生姜:辛)」です。

簡単でしかも立派な食養生です♪

【再春館製薬所 公式ブログ】おうち漢方

『おうち漢方』は再春館製薬所の公式ブログです。 漢方というと、専門的なこと?難しい?ちょっと私にはわからない? でも、漢方の考え方は、古くから日本の風土や暮らしに密着し、ずっと前からの日本人の知恵、とでも言い換えられるほど、私たちの生活や日常に根付いているのです。だからこそ、私たちは肩ひじ張らず、毎日の生活に役立つ「漢方」の知恵を、わかりやすくお伝えしていきます。