【生薬の不思議な話 桃仁(とうにん)編】

以前「桃の節句」・「雛祭り」についてのお話をしましたが、それに関連して今回は桃のお話です。

桃は春に花が咲き、夏に実がなります。

花は淡いピンク色で春の訪れを告げてくれます。

果肉はみずみずしくジューシーな食感と、優しい香り・甘味が魅力ですよね。

今からどちらの季節も楽しみで仕方ないです♪

ところで、その桃の種が生薬として使われているのはご存知ですか?

「桃仁(トウニン)」とよばれるもので、果肉から種を取り出して外の硬い殻を割り、中身を日干ししたものです。腸を潤し、血行を改善する作用があり、漢方薬にも配合されています。

腸を潤す効果は便秘の改善が期待でき、便秘によく使われる漢方薬「桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)」に含まれています。

また、血行改善は月経障害や更年期障害に働きかけます。

前回の牡丹皮のお話にも出てきた「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」という漢方薬は婦人薬として有名ですね。こちらにも桃仁が入っています。

果肉は甘くて優しい味ですが、桃仁は作用が強く、まれに体の負担になることがあります。先ほどの2つの漢方薬も、特に妊婦の方は注意が必要です。お薬を飲む際は、必ず医師や薬剤師、登録販売者に相談してくださいね。



【再春館製薬所 公式ブログ】おうち漢方

『おうち漢方』は再春館製薬所の公式ブログです。 漢方というと、専門的なこと?難しい?ちょっと私にはわからない? でも、漢方の考え方は、古くから日本の風土や暮らしに密着し、ずっと前からの日本人の知恵、とでも言い換えられるほど、私たちの生活や日常に根付いているのです。だからこそ、私たちは肩ひじ張らず、毎日の生活に役立つ「漢方」の知恵を、わかりやすくお伝えしていきます。