【生薬の不思議な話 キハダ編】

6月5日は二十四節気のひとつ、「芒種(ぼうしゅ)」です。

夏の節気は立夏(りっか)、小満(しょうまん)、芒種(ぼうしゅ)、夏至(げし)、小暑(しょうしょ)、大暑(たいしょ)となっており、芒種は夏の3番目の節気です。

「芒種」という節気の「芒」は日本語では「のぎ」と読み、イネなどの穂先にある針のような部分を言います。

「芒種」はそうした穂の出るイネや麦などの植物の種をまく季節を意味します。

またこの時期は、樹皮の収穫も盛んです。この時期の樹木は根から多くの水分を吸収するため、水分を多く含んで、樹皮をはぎ取りやすくなるからです。

収穫されるものの一つに、キハダの樹皮があります。

樹皮からコルク層を除き、乾燥させたものは「黄柏(オウバク)」と呼ばれ、古くから生薬として用いられています。

キハダの樹皮をはぐと、その名の通り、あざやかな黄色が現れます。これは、ベルベリンという色素によるものです。

このベルベリンに強い苦味と健胃整腸作用があるため、黄柏は陀羅尼助(だらにすけ)、百草丸(ひゃくそうがん)などの苦味整腸薬の原料として今でも利用されています。

芒種の次に来るのは夏至です。

今年の夏はどのような夏になるのでしょうか。

前向きに過ごしていきたいですね。

【再春館製薬所 公式ブログ】おうち漢方

『おうち漢方』は再春館製薬所の公式ブログです。 漢方というと、専門的なこと?難しい?ちょっと私にはわからない? でも、漢方の考え方は、古くから日本の風土や暮らしに密着し、ずっと前からの日本人の知恵、とでも言い換えられるほど、私たちの生活や日常に根付いているのです。だからこそ、私たちは肩ひじ張らず、毎日の生活に役立つ「漢方」の知恵を、わかりやすくお伝えしていきます。