【「気」満ちて、「水」巡る】

日ごとに暑さがしのぎやすくなってきた今日この頃、皆様いかがお過ごしですか?

秋が深まる十月を迎えれば、寒露(草木が冷たい梅雨に流れるころ)や霜降(早朝に霜が降りるころ)という節気が続き、さらに寒さが増していきます。


とはいえ、まだこの時季は日中暑かったり、暑いと思えば夜は冷え込んだりと気温の変化が激しいです。また、台風や秋雨前線などの影響で気圧の変動も大きくなります。


実はこの不安定な気候が「気」を乱す原因にもなるのです。

「気」が乱れると自律神経のバランスが崩れ、疲労感や気力の減退といった不調が現れます。


さらに、この時季は空気の乾燥も進みます。水分を失った葉が枯れて落ち葉となるように、人の体内も水分が減少し、「水」の乱れを引き起こしてしまいます。

「水」の巡りが滞ると、肌が乾燥するだけでなく、免疫力が弱まり、風邪をひくなど体調を崩しやすくなります。

このような不調に負けずに健やかに過ごすためには、まず体の土台を作ることが大切です。そのために欠かせないのが「養生」です。


難しく聞こえるかもしれませんが、「養生」は、普段の生活の中のちょっとした工夫で簡単にできることです。


たとえば「旬の食べ物をおいしくいただく」ことも「養生」です。

漢方には、「その土地で育った旬の食材を食べるのが良い」という考え方があり、これを「身土不二(しんどふじ)」といいます。

旬の食材にはその時季の体が必要とする栄養が豊富に含まれており、旬のものを摂ることはとても理にかなっています。


秋に旬を迎える蓮根や大根、山芋などの「白い」食材は、体の中の「水」を補い潤してくれるといわれています。乾燥し、「水」が乱れやすいこの時季にぴったりですね。


また、秋に収穫するお米。新米はエネルギーの源といわれており、「気」を補うといわれています。山芋を使ったとろろごはんは「水」と「気」を補うことができる秋にぴったりの簡単料理です。旬の素材の味を楽しめますね。

このような食材を上手に組み合わせながら、次に来る季節にも備えたいものですね。


【再春館製薬所 公式ブログ】おうち漢方

『おうち漢方』は再春館製薬所の公式ブログです。 漢方というと、専門的なこと?難しい?ちょっと私にはわからない? でも、漢方の考え方は、古くから日本の風土や暮らしに密着し、ずっと前からの日本人の知恵、とでも言い換えられるほど、私たちの生活や日常に根付いているのです。だからこそ、私たちは肩ひじ張らず、毎日の生活に役立つ「漢方」の知恵を、わかりやすくお伝えしていきます。