3月6日は二十四節気における「啓蟄(けいちつ)」です。
聞き慣れない方も多いかと思いますが、啓蟄とは、土の中で冬を過ごした虫たちが春の訪れを感じ、穴から出てくる頃のことを言います。ちなみに「啓」は「開く」、「蟄」は「虫などが隠れている様子」を表しています。「土に隠れた虫」が開かれるので、啓蟄は虫たちが動き出す時期を指すのですね。
また啓蟄は、実際にいる虫が冬眠から目を覚ます時期を指しますが、人の心に潜む虫も動き出す時期に当たるかもしれません。「心に虫がいるの?!」と驚いた方もいるかもしれませんが、昔から「虫」という字は人間の感情を表す言葉に多く使われてきました。「虫の居所が悪い」という言葉を聞いたことがありませんか?また、「虫が好かない」という言葉もありますね。他にも弱虫、泣き虫、腹の虫がおさまらない、などの言葉がありますね。
漢方では、春は「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」の1つである「肝(かん)」の働きが活発になりやすい季節と考えます。「肝」はエネルギーや怒りを司るため、エネルギーが高まることでイライラしたりストレスを感じやすくなったりするのです。「春」はまさに虫の居所が悪くなる季節かもしれませんね。そのため、春をリラックスして過ごす為には生命エネルギーである「気」のコントロールが重要になります。
漢方の考えでは、昔から「肝」の異常がある時にはいちごなどの酸味のある食べ物を摂ると良いと言われています。また、良い香りがする食べ物にも「気」を巡らせる働きがあると言われているため、酸味と香りを兼ね備えたみかん、グレープフルーツなどの柑橘類もおすすめの食材です。
春は新生活などで心機一転の季節である一方、なんとなくイライラしたり憂鬱になったり気分が不安定になりやすい時期です。春の陽気を感じながらの散歩や屋外での運動も気分のリフレッシュにおすすめです。その際、深呼吸すると「気」の巡りをスムーズにできるのでおすすめですよ。
自分なりのリフレッシュ方法をもち、心の虫を落ち着かせて穏やかな気分で春を過ごしたいものですね(^^)
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