こんばんは。本日は、一風変わった口調でお届けいたします。なぜって?それは最後まで読んでのお楽しみ。
さて、今まさに忘年会シーズンでございます。そんな忘年会に欠かせないのが“お酒”でございましょう。
飲むもよし、料理にもよしのお酒でございますが、おっとこんなところにも漢方の知恵が。今回は、お酒にまつわる小噺をひとつ、ご紹介。
“お酒”と一括りに申しましても、日本酒、焼酎、ビール、ワインとまさに多種多様。それぞれ味も違えば香りも違う。その顔の数だけ、料理も違った顔を覗かせます。
例えば、日本酒を使う“あさりの酒蒸し”。白ワインを使う“鮭ときのこのホイル焼き”。肉料理の最後に“フランベ”、これはブランデーやラム酒を使います。
これらはただお酒を足すだけじゃありません。食材そのもののおいしさを引き出したり、香りをつけて料理をよりおいしくしたりするために使われます。
さてここで1つ、漢方の考え方をご紹介。それは“修治(しゅうじ)”を申すものです。
修治とは、生薬にある種の加工を施して、その効果を高めたり毒性を抑えたりすることでございます。
有名なのは“附子(ぶし)”。猛毒を持つトリカブトの塊根でございますが、これに修治を施すことであら不思議、毒性がほとんど失われ、立派な生薬となるのです。
ちなみに修治の方法によって、“加工附子”、“修治附子”、“炮附子(ほうぶし)”などと呼び、区別されてございます。
話は戻りましてお酒の話。実はお酒も漢方の大切な食材(飲み物)の一つ。その性質もそれぞれ異なります。
なぜ“あさりの酒蒸し”には日本酒を使うのか?様々な考え方はありますが、漢方の考え方を申しましょう。
あさりは“寒(かん)”の性質をもち、体を冷やす傾向にございます。この冬、冷えの気になる女性には、あまり向かない食材です。
そこで日本酒、これは“温(おん)”の性質をもち、体を温めてくれるため、一緒に調理することであさりの寒の性質を和らげてくれるのです。
まさに料理における修治というワケでございます。
さらに、あさりはイライラのぼせの原因である熱を取り除き、日本酒は気を巡らせる効果があるため、2つでストレス緩和効果が期待できるという優れもの。
忘年会のツマミに、この逸品をいかがでしょうか?
最後に、なぜこんな語り口調なのかお答えしましょう。それは狂言の演目に“附子(ぶす)”というものがあり、それにちなんでのことでございます。
なるほど、漢方は狂言の世界にも存在するのです。
落語にも派生しているお話でございますから、気になる方は調べるも良し、聴きに行くのも良うござる。
☆お酒の性質についてはこちら↓
0コメント