【生薬の不思議な話 タンポポ(蒲公英:ホコウエイ)編】

3月20日から4月3日頃は二十四節気の春分です。

春分とは、太陽が春分点を通過する日で、昼と夜が同じ長さになる日で、自然をたたえ、生物をいつくしむ日とされています。

この時期に、あぜ道、土手、道端のコンクリートの隙間など、あちこちで見かけるのがタンポポの花です。

明るい黄色の花や、ふわふわとした白い綿毛は、春の訪れを知らせてくれます。

子供の頃に綿毛を「ふう~っ」と飛ばして、遊んでいたという方も多いのではないでしょうか。

実はあのタンポポの綿毛は、「雨で綿毛が濡れて飛ぶことができなくなる」という理由で雨の日には開かないのだそうです。

タンポポの強い意志を感じ、晴れた日には「遠くまで飛んでいけ~~」と応援したくなりますね。

そんなタンポポですが、見た目に楽しませてくれるだけでなく、食用としても利用されています。

私は試したことがないのですが、塩ゆでし、あく抜きした若葉をお浸しにしたり、花を二杯酢などでいただいたりするようです。

ヨーロッパなどでは葉をサラダとして食べるところもあり、苦みが良いアクセントになるのだそうです。

根を乾燥して焙煎してつくるタンポポコーヒーは、有名ですね。

味はコーヒーそのものの味、という訳ではありませんが、ノンカフェインで、健康や美容によい効果があるとされています。

さらに生薬としても利用されているのはご存知でしょうか。

開花前の全草を天日乾燥したものは「蒲公英(ホコウエイ)」と呼ばれていて、健胃、解熱、利尿、利胆などの作用があり、民間薬、漢方薬として用いられています。

とても身近な植物のタンポポに、意外と知らない秘密がありましたね。

これからも、意外と知らない身近な植物のお話ししていきますね♪

【再春館製薬所 公式ブログ】おうち漢方

『おうち漢方』は再春館製薬所の公式ブログです。 漢方というと、専門的なこと?難しい?ちょっと私にはわからない? でも、漢方の考え方は、古くから日本の風土や暮らしに密着し、ずっと前からの日本人の知恵、とでも言い換えられるほど、私たちの生活や日常に根付いているのです。だからこそ、私たちは肩ひじ張らず、毎日の生活に役立つ「漢方」の知恵を、わかりやすくお伝えしていきます。