【今年の処暑には大豆がおすすめ!】

 日本や中国には、四季のほかにもう少し季節を細かく表す24節気があります。「冬至」や「夏至」、「春分」や「秋分」などがこれにあてはまります。この24節気で考えるともうすぐ「処暑」。今年は、8月23日が処暑にあたります。「処暑」は、暑さのピークを越え、徐々に涼しくなってくる時期と言われており、まだ昼間は暑い日もありますが、朝晩は少しずつ涼しい日が多くなってくる気候です。

気候としては過ごしやすい時期になってくるのですが、「暑邪」や「火邪」、「湿邪」の影響から身体が疲れており、せっかくの過ごしやすい時期でもあるのに、夏バテがなかなかとれない・・・という状態が感じやすいタイミングでもあります。

 

 今日は、過ごしやすい快適な秋を迎えるために夏バテを少しでもはやく解消ができるような食養生を紹介します。

夏の邪は、胃腸関係に影響を及ぼしたり、気血水のうち、「気」の消耗を生じさせたりします。そのため、気を補ったり、巡りを良くしたりする食材がいいとされています。

お勧めは、「大豆」です。「大豆」は、気を補う作用や胃の働きを整える作用を持ちます。煮物や納豆などがお勧めです。

実はこの「大豆」、今年のこの季節にはぴったりなんです!

以前、湿邪にいい食材で「枝豆」を紹介しました。

(「枝豆」についてはこちら→ http://kampo.saishunkan.co.jp/posts/2545268 )

「枝豆」は、大豆が未成熟の状態で収穫されたもので、完熟したものが「大豆」です。薬膳では、「枝豆」は、水の乱れを整えるのにいい食材なので、「大豆」にも水を整える性質があります。一方で、成熟につれ、「気」を整える性質が強くなってきます。ですので、そのときの気候やからだの状態で使い分けることができます。

今年は、日照時間が少ない地域もあり、関東では例年にないくらい雨が続いています。そんな時には、湿邪も要注意です。雨が多く、そこまで夏バテを感じていないけど、なんだか疲労感を感じるときには湿邪対策をメインに気を整えるために「枝豆」を。

晴れが比較的続く地域では、日照りや暑さでの疲労があるので、「気」の補充をメインに湿邪対策もできる「大豆」を食べてみてください。

また、「大豆」は発酵すると「血」の巡りにも効果的な食材になります。貧血などがあるときには「納豆」として食べてみることもお勧めです。


以前の投稿で、「修治」についてお話しましたが、食材の成熟度合でも性質が少し変わってくるのも面白いですね。

(「修治」についてはこちら→ http://kampo.saishunkan.co.jp/posts/2652387 )

うまく使い分けて、夏バテや疲労を解消していきましょう!

【再春館製薬所 公式ブログ】おうち漢方

『おうち漢方』は再春館製薬所の公式ブログです。 漢方というと、専門的なこと?難しい?ちょっと私にはわからない? でも、漢方の考え方は、古くから日本の風土や暮らしに密着し、ずっと前からの日本人の知恵、とでも言い換えられるほど、私たちの生活や日常に根付いているのです。だからこそ、私たちは肩ひじ張らず、毎日の生活に役立つ「漢方」の知恵を、わかりやすくお伝えしていきます。