「屋根より高い鯉のぼり~~♪」
前回は菖蒲湯のお話でしたが、「端午の節句」で思い出すものが、もう一つありますね。
それは鯉のぼりです。
最近は飾るお宅は減ってきているように感じますが、今でも家庭の庭先やベランダなどに飾られていますね。
ではなぜ鯉を飾ることになったのでしょうか。
一説によると、もともと江戸時代、武家に男の子ができたら玄関の前に馬印やのぼりを立てて祝う風習がありました。それが庶民の間にも広まって、のぼりを立てるようになりました。のぼりは当初ただの吹き流しだったのですが、「登竜門」という故事にちなんで鯉の絵を描くようになり、そこから鯉のぼりが考案されたと言われています。
「登竜門」は『鯉が黄河にある竜門の滝を登ると、竜となって天をかける』という中国の故事からきています。もともと鯉は、清流だけでなく、池でも沼でも生きられる生命力の強い魚です。『環境の良し悪しにかかわらず、立派に成長し、立身出世するように』という願いを込め、鯉のぼりは飾られるようになったそうです。
登竜門の話を「鯉のぼり」という形で、青空を泳がせるという発想は、世界に類を見ない日本人独特の感性ですね。
一方、鯉は古くは食用ともされていました。母乳の出がよくなると言われ、特に妊婦の方が健康(体力作り)のために鯉を食していたそうです。利尿作用により余分な水分を排泄してむくみを改善する効果もあるようです。
俎板の鯉(まないたのこい)を始めとして、いくつかのことわざにも登場するくらいですから、かつてはよく食されていたと考えられます。
現在では、郷土料理として食べられています。鯉洗いや「鯉こく」という料理が有名です。鯉は死ぬと臭みがでてしまうので、なかなか家庭では味わえません。一度は食べてみたいものですね♪
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