7月23日は二十四節気の「大暑(たいしょ)」。大きく暑いと書き、最も暑さが厳しい頃という意味です。何だかとても暑そうな感じは伝わりますよね。暑さで体調を崩しやすいこの頃、「暑さ厳しい折、おからだを大切に」と相手を気遣って出すのが暑中見舞いです。
本来は「小暑(しょうしょ)」と「大暑」を合わせた30日間を「暑中」といいますが、梅雨明け後にあたる夏の土用の18日間とする場合もあります。立秋を過ぎると「残暑見舞い」になりますので、「暑中見舞い」を送るなら今のうちです。
そして七十二候では、「桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)」に入ります。桐の花が実を結び始める頃。桐は成長が早いので、昔は女の子が生まれると庭に桐を植え、結婚するときにそれで箪笥を作ったりしたそうです。また、古来より鳳凰の止まる神聖な木とされ、家紋や紋章のデザインにも多く取り入れられています。
そんな暑い中でも、たまにすっと風が通り抜けるとき、さわやかな涼気を感じることもありますよね。さらにその涼しさを音でも感じさせてくれる風鈴は、日本の夏の風物詩の代表ですね。風鈴の歴史は長く、起源は中国にあったといわれています。
中国で使われていた風鈴は日本とはまったく異なる使い方で、風の向きや音のなり方で吉凶を占うという占いの一種、『占風鐸(せんふうたく)』という道具として使われていました。
日本では、土で作った『土鈴(どれい)』と呼ばれるものが最初だといわれており、そこから徐々に現代型の風鈴に変化していきました。
現在の風鈴にもっとも近いのが、『風鐸(ふうたく)』と呼ばれるものです。青銅で作られており、見た目は『小さな鐘』のよう。音も、今のように綺麗ではなくガランガランと鳴っていました。
そういったことから、当時は厄除けとしてお寺で使われていることが多く、住民にとってはその音によって災いが起こらないと思われていました。
今の風鈴と近いものになったのは、享保年間(1700年頃)といわれています。長崎のガラス職人によって大阪・京都・江戸と伝わっていき、当時の価格はなんと現在の200万~300万円程。とても高価なものでした。
そんな風鈴を軒に吊るし、縁側によしずで日蔭をつくって、庭先や家の前の道に打ち水をすると、いつもより涼しく過ごせそうですね。
0コメント