【鏡開きのおもちの性質について】

 お正月が終わるとお供えしていた鏡餅を下げて食べる「鏡開き(または鏡割り)」がありますね。鏡開きは1月11日が多いようですが、地域によって鏡割りの日付けは多少異なると言われています。

今回は、この鏡餅に使われる「おもち」についてご紹介したいと思います。

 お餅は、ご存じのとおり、「もち米」で作られていますね。もち米は、温める性質を持つと言われています。よくご飯として食べられる米(うるち米)は温める性質は持っていません。ですので、体が冷えがちの方は、たまに「もち米」を使った料理(お餅や赤飯、おこわなど)もいいでしょう。

さらに、「補中益気(ほちゅうえっき)」といって、胃腸の消化吸収を高め、体に必要な栄養を獲得するという性質も併せ持っているので、「気」が弱まっている状態のときにもピッタリです。

(「気」については、こちら→ https://goo.gl/bpV76z )

鏡開きのときになると、お餅はカチコチになってしまっているかと思います。

そんな時には、揚げ餅やおしるこ、雑煮などにして食べることも多いのではないでしょうか。

揚げ餅は、調理する際に油を使いますので、温める性質のある食材を冷ますことなく食べることができます。冷え性でしっかり温めたい人にはいいメニューです。

 逆に暑がりなタイプの場合は、お雑煮などでもいいかと思います。地域によって醤油ベースの地域と味噌ベースの地域があるかと思いますが、醤油や味噌はどちらも冷やす調味料ですので、どちらでもよいでしょう。ただ、あまり冷やしたくない場合は、一緒にいれる具材で工夫を。根菜は温める食材が多いので具材としてぴったりです。

また、おしるこに使われる小豆は冷やすことも温めることもない性質があります。ですので、多くの人にいいメニューです。


 今年も行事で食べる食材なども、薬膳の考え方をとり入れ、食養生を楽しんでみてください。

【再春館製薬所 公式ブログ】おうち漢方

『おうち漢方』は再春館製薬所の公式ブログです。 漢方というと、専門的なこと?難しい?ちょっと私にはわからない? でも、漢方の考え方は、古くから日本の風土や暮らしに密着し、ずっと前からの日本人の知恵、とでも言い換えられるほど、私たちの生活や日常に根付いているのです。だからこそ、私たちは肩ひじ張らず、毎日の生活に役立つ「漢方」の知恵を、わかりやすくお伝えしていきます。