「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉、ご存じですか?
「秋茄子は美味しいから、嫁には食べさせない!」というお姑さんのちょっと意地悪な発言、というように感じとられてしまいそうな言葉ですね。
由来は諸説あるそうですが、実はこの言葉、お姑さんの嫁いできたお嫁さんを気遣う言葉とも言われています。
茄子は通常、夏に旬を迎える食材と言われていますが、夏に葉や茎の剪定を行い、新たな葉や茎の成長を促すことで実をつけ、秋に食べごろに成長した茄子を秋茄子といいます。そのため、収穫時期は秋なのでこのタイミングではとてもおいしい茄子にできあがています。
たしかに「こんなおいしい茄子を嫁に食べさせるなんて」というイメージがあるのかもしれません。
一方で茄子は薬膳の考えだと「冷やす食材」。ですので、茄子は体の熱を冷ます性質があります。真夏のような暑い状態であれば体の熱を冷ますこともいいことなのですが、気温も落ち着き始めた秋に食べるということは、熱を冷ますだけでなく、冷やす可能性もあるのです。
女性にとって、冷えは天敵。そのため、嫁いできてくれたお嫁さんの体が冷えてしまうことで、体調を崩してしまったり、お腹に赤ちゃんがいるときにからだを冷やしてしまったら大変だよというお姑さんのお嫁さんを気遣うあたたかい想いから生まれた言葉ともとれるんです。
薬膳の考えは、昔から生活に根付いているんですね。
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