緑茶、ウーロン茶、紅茶は同じお茶の葉からできていること、ご存知でしたか?実は、同じ茶葉でも加工の仕方で変わってくるんです。簡単にいうと、発酵の度合いの違いです。緑茶は、蒸して乾燥させ、発酵はさせません。ウーロン茶は半発酵、紅茶は完全発酵といわれています。日ごろ何気なく飲んでいるこれらの飲み物ですが、実は同じお茶の樹からだったというのは驚きですよね。
これらは、風味や味わいも違いますが、実は薬膳でいう性質も異なります。緑茶は、冷やす性質を持っており、発酵という加工を加えるにつれ、温める性質に変わっていきます。そのため、完全発酵の紅茶は同じ茶葉なのに温める性質に変わっていくのです。この過程で考えるとウーロン茶は冷やすことも温めることもないどちらでもない性質ということになります(一部では少し冷ます性質といわれることもあります)。
同じ素材なのに性質が変わるのは不思議ですね。
実は、古くから漢方やその大元である中医学では、植物などの生薬を有効的に用いるために、加工することで性質を強めたり弱めたり、あるいは性質を変えたりするという方法をとられてきました。これを「修治(しゅうち・しゅうじ)」といいます。生薬でいえば、毒性の高い植物を用いるときに修治することで毒性をマイルドにして薬として用いていました。
茶葉の場合「発酵」という修治をすることで性質を変えています。食材にひと手間を加えるというのは、風味や味わいを変えるだけでなく、性質をも変化させたりと体への影響を変えることができるのですね。
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