日本には、四季、二十四節季(にじゅうしせっき)、七十二候(しちじゅうにこう)といった季節を表す言葉が多くありますが、その中には聞き慣れない言葉もあります。
「白露(はくろ)」もそのひとつかもしれません。
二十四節気の十五番目にあたり、秋の季語でもあります。
今年の白露は9月7日からで次の節季である23日の「秋分」までの約15日間です。
夜中に大気が冷え、草花や木に朝露が宿りはじめる頃とされています。
降りた露は光り、白い粒のように見え、日中の暑さも和らぎはじめ、だんだんと秋の気配が深まっていく様子を表しています。
ちょうど去年の秋分の頃でしょうか、道端を歩いていてふと漂ってくる甘い香りに思わず立ち止まってしまいました。
そこに咲いていたのは金木犀の花でした。
秋の気配を感じさせてくれるもののひとつとして、金木犀(キンモクセイ)もありますね。
金木犀は、沈丁花(ジンチョウゲ)、梔子(クチナシ)と共に3大香木とされ、その香りの持つ癒し効果が薬用としても利用されています。
薬用部位は花で、薬効は胃炎、低血圧症、不眠症です。
乾燥した花を焼酎に入れ、3ヶ月ほど冷暗所に置き、胃の調子が悪い時、盃に一杯ほど水か湯に薄めて飲むと良いそうです。
他にも、白ワインに金木犀の花を3年漬けた桂花陳酒(ケイカチンシュ)や、金木犀の花を乾燥させ紅茶や烏龍茶などに混ぜて飲む桂花茶(ケイカチャ)もあります。
身近な植物に様々な利用法がありましたね。
これからも、意外と知らない身近な植物のお話ししていきますね。
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