まだ5月にもかかわらず、今年は各地で真夏日を記録していることが話題になっていますね。皆様は急激な暑さで体調を崩されずにお過ごしでしょうか。
また湿度が高くジメジメとした日も続いており、梅雨入りの時期も近付いてきましたね。湿度が高いと何となく体調が悪くなったり、気分がどんよりしたりする方が多いのではないでしょうか?
漢方では梅雨の時期は過剰になった湿気が邪気となり、「湿邪(しつじゃ)」として「脾(ひ)」を弱らせると考えられています。ここでいう脾は西洋医学でいう「脾臓(ひぞう)」のことではなく、消化器系の機能や全てのエネルギー源となる「気(き)」を作りだすほか、身体の水分代謝を管理する役割も担っているものと考えられています。
脾には「湿を悪む(にくむ)」という性質があり、湿が大の苦手なのです。そのため、湿が脾に溜まるとその働きを弱め、食欲が湧かない、何となく消化が悪い、体がだるいなどの症状が出やすいとされています。このような症状を避けるためには、脾の働きを助け、体内に余分な水分を溜め込まないことが重要となっています。
漢方では「五味(ごみ)」という考えがあり、酸味、苦味、甘味、辛味、塩味、の5つの味を指します。そしてこれら五味と五臓には関連性があるといわれています。今回お話しした湿邪の影響を受けやすい脾の働きを助ける五味は「甘味」だと考えられており、脾の気を補うといわれています。疲れた時に甘味が欲しくなるのは、消耗した気を補うためでもあるのですね。ただ、五味というのは「食材そのものの味」だけではなく、その味が持っている「効能」によって分類されます。そのため、実際の食材の味と五味による分類が異なることも少なくありません。脾には甘味が良いとはいっても、摂りすぎれば体内に余分な水分が増え、重だるさや肥満の原因になるので注意が必要です。
来週は湿邪にかかわる食養生をご紹介しようと思っておりますので、ぜひご覧ください(^^)!
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