4月に入り、春の陽気も本格的になってきました。とは、言っても先週の気温の低下など、まだまだ気候の変化には用心したいですね。
おうち漢方では、今の時期「気」や「肝」にいい食の養生や体の養生をお伝えしていました。
では、そもそも「気」というのはどういうものなのでしょう。
今回は、「気」というものについて今までの解説よりももう少し詳しくご紹介したいと思います。
漢方の考え方では、人間の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素がバランスよく身体を巡ることによって健康が保たれていると言われています。中でも、「気」は、特に重要な役割を持っていると言われており、目に見えない生命の根源エネルギーのこと。「気」は「血」や「水」を動かし、生命活動を維持していると言われています。
とは、言ってもとらえるのが難しいですね。簡単に言えば、人間が持っているエネルギーです。エネルギーは体力という部分もありますし、気持ちの部分もあります。エネルギーがなければ、動いたり重い荷物を持ったりすることはできません。また、気持ちのエネルギーがなければ外出する気も起きないですし、こんなことしてみよう!と好奇心を持って行動することもできません。
さらに、気は飲食物から得ることができると言われています。例えば、お腹が空いて力が出ない時、人は当たり前のように食べ物を食べるという行為をしようとします。これは、自然に「気」を補充しようとしているのです。また、人によってさまざまですが、ストレスなどや失恋など悲しい出来事が起こったときに、過食をしてしまう方もいらっしゃると思います。これも、「気」を補充しようとする行為のひとつと考えていいと思います。
「気」に異常が起こるとき3つのパターンがあります。
1.「気虚(ききょ)」
「気」が体の中に足りていない状態です。病気や過労、生活習慣の乱れやストレスは「気」を消耗します。症状として、冷え、疲労感、落ち込み、無気力などが現れます。
2.「気滞(きたい)」
体の中の「気」が滞っている状態です。ストレスや心身の疲労などが「気」を停滞させてしまう要因です。息苦しさや不眠、抑うつ感、膨満感、イライラなどが生じやすくなります。
3.「気逆(きぎゃく)」
体の中の気が頭のほうに上昇してしまっている状態です。これは「血」や「水」に生じることはなく、「気」でのみ起こる現象です。実は、季節の中で春が一番注意です。春のポカポカ陽気は気持ちのいいものではありますが、陽気は、同時に気を上昇させる傾向にあります。症状として、のぼせや不眠、イライラなどを引き起こします。
全体的に気を通常どおりに動かすことや整えることを性質として持つ食材もあれば、気を補充する性質を持つものや、気を落ち着かせるものなどそれぞれの「気」の症状に合わせた食材もあります。
おうち漢方では、これからもご紹介していきたいと思いますので、参考にしていただければと思います。
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