【花粉症に対しての漢方薬】

 春も本格的になり、ずいぶんと暖かくなりましたね。

天気予報でも、花粉情報などが流れ「花粉注意」の予想が出ていることも多くなりました。

花粉症は、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど様々ありますが、今回は、くしゃみや鼻水、鼻づまりにいい漢方薬をご紹介したいと思います。

漢方は、体質によってその人にいい薬が異なります。今回ご紹介する漢方の市販薬も必ず当てはまるものではないので、購入の際は薬剤師や登録販売者に相談の上、購入しましょう。


① くしゃみが主な症状

くしゃみが主で、鼻水が透明な場合の漢方薬の紹介です。もし、だるさが伴い、汗かきなタイプであれば、「桂枝湯(けいしとう)」があります。風邪の初期症状に使われる漢方薬ですが、だるさなどの体力が低下気味のかたにいいと言われています。

また、だるさはなく、元気があり、力強いくしゃみが出て、水っぽい鼻水が出るような時には「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」があります。アレルギー性鼻炎に適応がある漢方薬です。しかし、含まれている生薬の中に「麻黄(まおう)」という生薬が含まれているため、心臓疾患や高血圧、甲状腺などの病気がある場合は注意が必要になることがあるので、薬剤師に相談をしましょう。


② 鼻づまりが主な症状

くしゃみよりも鼻づまりが強く、鼻水は黄色くねばねばしているような症状の時の漢方薬の紹介です。鼻汁が濃く、のどにも伝わり、眠れないくらいの時には、「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」という漢方薬があります。この漢方薬は、蓄膿症(ちくのうしょう)や慢性鼻炎にも適応のある漢方薬です。こちらにも「麻黄(まおう)」が含まれているため、心臓や高血圧、甲状腺などで病気がある方は薬剤師に相談しましょう。

また、鼻汁よりも鼻づまりが気になり、さらにのどまで腫れて痛いときには、のどの痛みをしっかり治すためにも「銀翹散(ぎんぎょうさん)」を使用するときもあります。鼻づまりがひどく、息苦しく皮膚が乾燥していて痒いような症状も持っている場合は「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」を用いたりすることがあります。

春は、天気も良く、気温もポカポカ陽気で気持ちの良い時期ではありますが、同時に花粉症を持っている方にとっては油断大敵の時期でもあるかと思います。症状や体質によってさまざまな漢方薬があります。

漢方薬は、医薬品です。薬との飲みあわせやお体の状態で服用が差支えないかは、薬剤師や登録販売者に確認の上、使用しましょう。また、一緒に入っている添付文書を参考にして服用してくださいね。

【再春館製薬所 公式ブログ】おうち漢方

『おうち漢方』は再春館製薬所の公式ブログです。 漢方というと、専門的なこと?難しい?ちょっと私にはわからない? でも、漢方の考え方は、古くから日本の風土や暮らしに密着し、ずっと前からの日本人の知恵、とでも言い換えられるほど、私たちの生活や日常に根付いているのです。だからこそ、私たちは肩ひじ張らず、毎日の生活に役立つ「漢方」の知恵を、わかりやすくお伝えしていきます。