冬になり、風邪を引きやすいことはもちろんのこと、インフルエンザにかかりやすい時期でもありますね。地域でインフルエンザが蔓延すると、学校では学級閉鎖や学校閉鎖など、少しでも蔓延を防ぐような対策がとられています。
インフルエンザにかからないようにするためには、手洗い、うがいや人ごみの中ではマスクをするなど様々な対策が言われています。また、できるだけ免疫を落とさないよう規則正しい生活や睡眠や栄養をしっかり取ることが大事です。
しかし、対策をしていてもかかってしまうことも・・・。
ここ近年、インフルエンザ予防対策やインフルエンザにかかったときの治療法として漢方薬が注目されています。「麻黄湯(まおうとう)」です。
「麻黄湯」は、古くから伝わる漢方薬のひとつです。風邪の初期の症状、頭痛や発熱、咳、ふしぶしの痛みが生じているときに使用されるものです。麻黄湯の中に含まれる生薬がうまく合わさり、これらの効果を発揮しています。そんな中、インフルエンザに対する効果が抗ウイルス薬と同等の効果が得られるということがわかりました。
さらに、中の成分に対する研究でも生薬の「麻黄(まおう)」に含まれる「タンニン(エピカテキン)」という物質は、体の中のウイルスの働きを失わせる作用を持っています。また、麻黄湯の中には「桂皮(けいひ)」と呼ばれる生薬を含まれており、その中の成分のひとつである「シンナムアルデヒド」という物質は、体内でウイルスが増殖しないようにする作用を持っています。
これらの作用から、インフルエンザ発症を防いだり、発症した症状(発熱など)が短期間で落ち着くことがわかっています。麻黄湯は、病院で処方されることもありますが、ドラッグストアなどで購入することもできる「一般用医薬品」としても販売されています。
比較的手に入りやすい漢方薬ではありますが、医薬品なので注意が必要です。漢方薬には、体質に合わせて漢方薬を使い分けるという考え方があります。麻黄湯が適している体質は、比較的体力がある体質であることが言われています。反対の虚弱体質の方の場合は、体質に合わず、うまく効果が表れなかったり、思わぬ副作用が生じてしまう可能性があります。
また、麻黄には「エフェドリン」という物質も含まれているため、高血圧や心臓疾患、前立腺の疾患、緑内障などを持っている方は注意が必要になります。
一時期、麻黄湯については、さまざまなメディアで取り上げられましたが、これらのことを注意して服用する必要があります。
その他、漢方薬の中には、インフルエンザでの長引く症状に対する漢方薬「竹筎温胆湯(ちくじょうんたんとう)」などいくつかあります。ドラッグストアなどで購入する際は、自分の症状や体質にいい漢方薬はどれなのか、薬剤師や登録販売者に相談をしましょう。また、服用中に何かいつもと違う症状が出た時には服用を中止し、医師または薬剤師、登録販売者に相談をしましょう。
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